Graphics Environment Performance

ここのところグラフィックス環境がらみのニュースが続いています.

Core Image
http://www.apple.co.jp/macosx/tiger/core.html (情報源:やねう掲示板のleelaさんの投稿より)
Looking GlassはGPLで提供
http://wwws.sun.com/software/looking_glass/ (情報源:/.J等多数)

これらの技術は明らかにLonghornよりは先に市場に投入されることが予想されます.いずれにせよ今後数年間であちこちでPCのグラフィックス環境に大きな変化が生まれることに間違いないでしょう.
新しいGUIフレームワークが登場するときには「使い勝手」と「パフォーマンス」がしばしば問題とされます.

koshian 曰く、 "Wired Newsの記事によりますと、SunはMacOS Xをもしのぐド派手デスクトップ「Looking Glass」をGPLで公開するとのことです。Looking Glass の派手っぷりは目を見張るものがあり、デモを見てるだけであきれてくる程です。しかし、このような美麗なデスクトップがオープンソースのシステムに入るということは、注目されるデスクトップ分野でのオープンソース・ソリューションに多大な影響を与えることでしょう。とんでもないマシンパワーが必要そうではありますが…。"

ここでパフォーマンスに論点を絞れば,実のところ各社のグラフィックス環境の再構築はいずれも描画パフォーマンスのスケーラビリティの改善という意味を持っています.特に旧来のプログラミングモデルを引きずっている環境では,PCの用途の変化や画面解像度の拡大,ハードウェアのパフォーマンス特性の変化などのため非常に描画効率が悪化していると考えられます.実際いち早く描画モデルを切り替えたMacOS XのQuarts Extremeが良好なパフォーマンスを示しているそうです.
http://yaneu.com/cgi/yanebbs/dobbsr.cgi?a=view&topic_id=1073741594&res_id=213-215
いわゆるAT互換機の世界から見れば,確かにMacの機体はどれもミドルレンジからハイエンドセグメントに相当するパーツで構成されています.しかし,Windows環境で同等のハードウェアを用意しても,プログラミングモデル的なボトルネックのためにQuartz Extremeほどのレスポンスは得られないでしょう.WindowsのWM_PAINTに対する再描画というモデルは高速なレスポンスよりもリソースの削減を重視しているため仕方がありませんが,プログラマという立場としては実現可能なはずのパフォーマンスがソフトウェア的原因で実現できていない現状にはもったいなさを感じます*1
いずれにせよ,ゲームプログラマとしてもこれらの新しい描画フレームワークから学ぶべきところは多いように思います.「何故そのプログラミングモデル」を採用したのかを追求することで,それぞれのアーキテクトの技術を吸収できるのではないでしょうか.

*1:私はMMORPGを全然プレイしないんですが,最近のものは一通りウィンドウシステムが揃っているそうですね.案外MMORPG内にブラウザやエディタが揃うと素晴らしい環境になるのかもしれません