Camel Case

JIS X 3015 で興味を引かれたもののひとつが,ローカライズされた用語でした.この規格書で用いられている用語のいくつかは,明らかに Microsoft が従来使用していた翻訳指針と異なっています.「らくだ形式」はその最たるものでしょう.
「らくだ形式」――原文では Camel Case――は複合語を記述する方法のひとつで,空白を取り除き各単語の先頭文字を大文字に変換します.現代のプログラマにはおなじみのこの形式に属する記述は,Wikipedia によればこれは歴史的には古くから時折存在してきたものが,20 世紀に入ってからトレードマークなどで広まったということでした.
http://en.wikipedia.org/wiki/Camelcase
大文字と小文字が交互に現われる様子を「らくだのこぶ」に喩えていることは想像に難くありません.同ページによればこの隠喩表現が初めて現われたのは比較的最近の 1995 年の NetNews の投稿ということです.

The style had no definite name initially. The earliest occurrence of InterCaps on Usenet is in an April 1990 post to the group alt.folklore.computers by Avi Rappoport [1], with BiCapitalization appearing slightly later in a 1991 post by Eric S. Raymond to the same group [2]. The name "CamelCase" occurs only in 1995, in a post by Newton Love. [3].

「ハンガリー人」といい「らくだ」といい,ちょっとした思いつきが工業規格にまで影響を与えるというのは爽快でさえあります.