メール全文引用の件について

まず読んだ順序.

  1. 休憩中の息抜きに Lady.BUG さんのとこ で読む
  2. 帰宅して AtsushiEno さんのとこで言及されているのを読み,さらにリンク先の Lady.BUG さんのところを読みなおす

どちらに言及したことにするかちょっと悩んだんですが,脳が疲労してで数秒で思考が散逸.ふとこの悩み自体がメール返信のときと似ているなぁと思ったり……
私も研究室で日々送信ボタンを押すときのメールはかなりの割合で全文引用なもので,Lady.BUG さんの主張は色々考えさせられました.が,思い切って明日からやめてみるという勇気もないので,主張への回答ではなく,連鎖的に思い付いた問題提起を書き連ねてみます.
AtsushiEno さんのとこより.

ていうか全文引用って、後からCcで追加された人に読ませるために付けたりするもんだと思ってたんだけど、気のせいですかそうですか。実行可能なソースをはっつけてくれ、というのと大して変わらん話だと思ってた。

これは同意.参加人数3人以上のメールのやりとりで心理的に嫌なのは,(Thread あるいは Tree ではなく) いわゆる semi-lattice 構造をした何かが断片的にやってくることです.多くの場合は reply 元 (callee) を見れば事足りますが,それでも議論が拗れてきたときにはコールスタック全部を見たくなることもあって,その場合全文引用は十分に役を果たします.というわけで「実行可能なソース」というよりは「実行してみたスタックトレース」というのが私の印象.
話にグラフ構造が出てきましたが,個々のメールという断片から議論全体のグラフ構造を可視化できると話のネタぐらいにはなるかもしれません.ただまあ往々にして急いで欲しい情報は局所構造だったりソート済み path 情報だったりして単にグラフを見せれば終わりという話でもない気がします*1.いっそのこと最初から巨大なひとつノート*2を共有して,矢印記号と文章を使いながらグラフ構造を書き込むという方法はどうなんでしょうね?
んで,空間的な UI に話を持っていった反動として,逆に「メールは1次元シリアル化データなんだよ」という観点ではどうかなと.そもそも私みたいな組織の下っ端は,semi-lattice 構造のややこしい議論から重要な情報を抽出して,上から下に読んでいくと事件が解決する報告書的なメールを書くのも仕事のひとつにカウントされているのかなぁと思うこともしばしば.でもやっぱり技術論にも持って行きたくて,例えば「改行」は自然言語よりも安売りされ,引用記号なるものは行指向といういわゆる Plain Text 文法どうよと言いたくもなります.私は HTML メールに賛成と言うほどではありませんが,もしプログラミング言語を代えて生産性が上がるなら,メール言語を代えても生産性は上がらないものでしょうか.
また,AtsushiEno さんのところで iks さんがコメントされていた「過剰な引用で検索が困難になる」問題については,メールに限らず近年 Web でも顕著に見られる現象と感じます.google で検索してみたら blog でプレスリリースの引用が大量にヒットしたり*3,情報が見つかったと思っていってみたらアンテナのヘッドラインだったり.まあ最初に書いたとおり論点のすり替えではありますが,やっぱり無視できない問題かなと思います.

*1:例えば都市間の時間的距離を表現した地図はインスパイアは得られる,日常生活には乗り換え検索サイトの方が役立ちます

*2:OneNote のノートみたいなものを連想してください

*3:私はちょくちょく hatena のキーワード検索を利用して DirectX について書かれた日記がないか眺めていたりします.んで,急に言及数が増えているから何かと思うと,ちょうどその日に PC ゲームのプレスリリースがあって,ニュースサイトに書かれた記事を動作条件のところの DirectX という文字ごと引用した日記がたくさん,と.