Microsoft DirectX 9.0 SDK Update (August 2005)

これも主要サイトでは既出ですが,Microsoft DirectX 9.0 SDK Update (August 2005) がリリースされました.
http://www.microsoft.com/japan/msdn/directx/downloads.aspx
上記ページそのものがリリースノート日本語訳に相当しますが,正しくはヘルプの"Features Added in the August 2005 DirectX SDK Update"の日本語訳ですね.訂正.また2ヶ月後にはページ内容が更新されてしまうでしょうから,今回の更新の日本語版リリースノートが欲しい方はページ自体を保存しておくのをおすすめします.
本当のリリースノート日本語訳はこちらです.
http://www.microsoft.com/japan/msdn/directx/dxreadmej.aspx

あとは更新内容に関する雑感でも少し.
最近 ID3DXEffect のパフォーマンスチューニングが続いています.ID3DXEffect も登場当初は単なるコンセプトフレームワークという印象でしたが,最近は商用利用も進んできているのかパフォーマンス目的の細かい変更が増えてきているようです.このあたりの背景事情は例えば最近 "Developer-only Forum for DirectX programming issues" にポストされた投稿などからも窺えます.
http://discuss.microsoft.com/SCRIPTS/WA-MSD.EXE?A1=ind0505c&L=directxdev#8
最初はシンプルさを優先で作ったフレームワークが,開発末期にはパフォーマンス目的のショートカットだらけになるってのは割と「あるある」という気がします.が,一方でこれを DirectX チームと不特定多数の一般開発者による共同開発としてみたときに,フレームワークが2ヶ月単位で変わっていくというのは結構困る人もいるかもしれません.実際ネット上の日記を見ていても,DirectX SDK の更新を嫌っている人の多くは ID3DXSprite などの(プチ)フレームワークが頻繁に更新されることの影響を受けているようでした*1.本当はプラットフォーム層としての DirectX Graphics はここ数年安定期もいいところなんですけどねぇ.
DirectX に限らず,最近はフレームワークまでも SDK に求めるようになっているという傾向があるのかもしれません.その意味で現在の DirectX (Graphics) SDK は「成熟したプラットフォーム」と「不安定なフレームワーク」という 2 つの側面を持っています.次の DirectX 開発環境を考えていくと,萩原さんが @IT で連載されている「次世代開発基盤技術“Software Factories”詳解」に登場するよう話もあながち人ごとではないかもしれませんね.
http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/softfactory/index/index.html
例えばエフェクトファイルの Annotation や Semantics はまさに「可変性を実現する複合化技術」に該当するかと思います.
http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/softfactory/softfactory04/softfactory04_02.html
以上雑感でした.

*1:ちなみに今回のアップデートでもちょこっと改良があるようですね,ID3DXSprite.