もっさり肌

ここ最近,もっさりに敏感になっている世の中を感じます.

  • いいブラウザを探してるんだけど,○○はもっさりしていて嫌
  • 最近の○○の携帯はもっさり
  • ○○のCPUだとまだもっさりしていたけど,××の CPU だともっさりしない

従来のアプローチ,すなわち「レイテンシは悪化してもいいからリソース使用量のピーク値を下げよ」は明確にネガティブとされ,「これだけ投資したんだからレスポンスタイムも向上させよ」というユーザの声が高まっているということなんでしょうかね?*1 しかしまあ,Copy On Write カッコイイ,遅延評価サイコー,で育った身には考えさせられるものがありますな.
タイムリーな記事としては,この PC Watch のこの記事なんかが面白いでしょう.
Intel、プラットフォーム能力を評価する新ベンチマーク〜当初は3Dゲーム用とデジタルホーム用を提供
記事では,「平均フレームレート」はユーザーの満足度を現すシンプルな(振る舞いの良い)指標ではない,という Intel の主張を紹介しています.

平均フレームレートという指標も、ユーザーの体験や満足度を示すには不十分であるという。例えば、最高フレームレート/最低フレームレートが76/44のPCと、101/29のシステムを比較すると、平均フレームレートは前者が63、後者が68となり、この数値のみを見ると、後者がより良いPCとなる。

しかし、実際にユーザーがプレイする場合に、後者のPCではフレームレートが乱高下するため、ユーザーの満足度は低下し、平均フレームレートが低くとも、安定している前者のPCの方がよりゲームを楽しめる。

この辺の画像にも注目.

フレームレートの揺らぎは私も従来から興味を持っていた事柄で,使用上の注意がいくつか存在することを知りつつも QueryPerformanceCounter を手放せない理由のひとつがここにあります.
記事では, Intel が導入したベイズ解析モデルを併用する満足度の評価するという手法についても触れています.
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もう1つ、ベイズ解析モデルという指標も測定される。ここでは、高い瞬間フレームレートは、より高いユーザー満足度を実現し、安定したフレームレンダリングの方が、変動するより望ましい、という2つの仮定に基づき、これをベイズの確率の定理などに当てはめ、数値化する。


2つのモデルを用意したのは、しきい値モデルは、理解しやすいが、形式が簡単すぎ、ベイズ解析モデルは、詳細だが、理解が難しいという、それぞの長所/短所を補完するため。

*1:だから例えばこの「Mozilla 製品に欲しいもうワンポイント」にある 25% という数字は,本当は笑い事ではないんだと思います.少なくとも私はこのネタを元に Microsoft に wish をかける気満々ですし