WinFS について (2)

技術セミナーなどでアーキテクト向けのセッションに顔を出してみると,エンティティとかドメインモデルとか DOA とか O/R マッピングとか,そういう単語がわんさかと出てくるわけです.WinFS って,もともとそちら側の世界の住人だと思うのですが,そういう世界がデスクトップ開発から遠のくのはここまで大騒ぎになるほどみんな残念で仕方がないんでしたっけ?
本当はそうではなくて,WinFS 残念派の多くは.表面上いわゆるデータ層とかビジネス層に興味があるふりをしながら,実際は WinFS の上に構築されるプレゼンテーション層を期待していたわけでしょう.
日記やブックマークでの反応を見ていても,WinFS という技術を使って開発できなくなったことを悲しむというよりは,WinFS 世代に実現されると言われていた新体験を夢見ていたという人が多いようです.
日本もこれだけソフトウェア産業が盛んなのだから,日中は自分も SQL を叩いて O/R マッピングしているという人も多いでしょうに,そこをすっ飛ばして成果物に理想を投影するというのはどうも危険な兆候に見えます.バックエンドの DB の微妙な挙動の差違に四苦八苦とか,テーブルレイアウトが途中で変わってばたんきゅーとか,聞こえてくる話は全部遠い異国の物語なんでしょうかね?
はてなの WinFS 関係に言及された記事を一通り読んでみましたが,開発者視点で書かれたものがほとんど無くてかなり残念に思います.PHP + MySQL とか仕事で使っているという人は結構いるんじゃないかと思っていたんですけど,そういう経験から見て WinFS に何を期待していたのか読んでみたかったのですが……