WinFS について (3)

.NET は製品がリリースされて 5 年近くになりますが,デスクトップ環境ではずいぶんと苦戦してきました..NET は,メタデータと実行ファイルの統合や,整備された認証メカニズム,標準のリモーティングサービス,エビデンスベースとロールベースのセキュリティなどなど,複数のコンポーネントが協調するという部分に随分と配慮して作られて作られています.しかしその割に,デスクトップ・アプリケーションとして登場した .NET アプリケーションで,これらの機能が有効に活用されているものには中々お目にかかれません.プラグイン開発向けのフレームワークを作ればそれだけで,プラグインが大流行するアプリケーションが登場するかというと,そうとも限らないわけです.
WinFS についても同様の懸念があって,Microsoft の自社アプリケーションが Vista リリース直後に WinFS をサポート出来ないとなると,基盤だけ用意して結局活用されずじまいということになりかねません.少なくとも WinFS beta1 は数百 MB のメモリを食う立派な DB でしたが,せっかく面白い技術なのにパフォーマンス的に登場時期が早すぎて評判を落とすとなれば,10 年前の ActiveDesktop の悪夢再来です.