Windows Vista における .NET Framework 1.0

『ITPro』より.

マイクロソフトは,建前と本音をとても奇妙な形で使い分けてきたメーカーだ。例えばWindowsのEULA(使用許諾契約書)には「アプリケーションの互換性を保証する」など一切書かれていない。しかしこれは「建前」であって,「本音」では「古いアプリケーションを新しいOSで使ってほしい」と思っており,互換性のために相当の努力をしていたのが実情だった。最近はやりのネット・スラングでいうと「ツンデレ」みたいなものである。

マイクロソフトは,Visual Basic 6.0で作成したVBアプリケーションのWindows Vistaでの動作をサポートしているが,. VB6よりも新しい.NET 1.0をWindows Vistaでサポートしなかった。実際のところ,.NET 1.0アプリケーションはほとんど存在しないため,ユーザーにとっての実害は大きくないだろうが,プラットフォームを提供するメーカーとして,残念な対応であると言えるだろう。

まあ言いたいことは分かりますが,.NET Framework 1.0 の普及率から考えた優先順位と Vista の進捗を考えると切り捨て判断やむなしかなぁという気もします.
日記のアクセスログの User Agent を見ていても,.NET Framework 1.1 がインストールされているという環境に比べれば,.NET Framework 1.0 がインストールされている環境は本当に少ないです.
実際,私の環境でも PC 4 台全て .NET Framework 1.0 がインストールされていません.
記事の筆者も .NET Framework 1.0 のインストール状況ぐらいはご存じだとは思いますが,今まで気にもかけなかった .NET Framework 1.0 が,サポートされなくなると分かったとたん急に意識し始めるあたり,なかなかのツンデレ記事かもしれません.
あと微妙に気になった点としては,.NET 1.0 のアプリケーションを構成ファイルによって .NET Framework 1.1 で実行可能な点に言及されていないことです.
Windows Vista デフォルト環境で .NET 1.0 のアプリケーションが動かなかった場合,.NET Framework 1.1 をインストールし,構成ファイルでそちらにリダイレクトしてみることで何とかなる可能性があります.CLR 2.0 で動かすよりもこちらの方がアーキテクチャの違いは小さいです.また,.NET 1.0 のアプリケーションが仮に存在するとすれば,リリース時期を考えると .NET 1.1 環境での動作については何らかの workaround が用意されている可能性が高く,その意味でも .NET Framework 1.1 が Windows Vista でサポートされていることは大きな意味を持っています.