仮想メモリ戦略に関する大きな誤解
『PC Watch』の記事なんですが……うーん.
過去のWindowsに搭載されていたメモリ管理技術は、物理メモリの空き容量がない状態で、アプリケーションからメモリの要求があった際、メモリ上の最近利用されていないデータをHDD上のページファイルに移動させることで、メモリを解放していた。つまり、要求に応じたページング(On-demand Paging)となる。
ReadyBoost は比較的注目されているようで,こういう記事が出ること自体は望ましいことなんだと思いますが,「スワップ」のイメージに引きずられてしまっているのか,肝心の出発点の時点で大きく本質を見誤ってしまっているように思います.
引用部分の説明で何の疑問も抱かなかった人は多分同様の勘違いをしているのでご注意を.
とはいえここまで誤ったイメージが広がってしまうと,もはや全国の情報学科の学生が総出で解説を書いても払拭は無理なのかもしれませんけど.というかこういう記事でますます誤ったイメージが広がっていそうな気がします.
ReadyBoost の解説を書くのなら,せめて『インサイド Microsoft Windows 第4版』の内容はおさえておかないと難しいのではないでしょうか.
インサイド Microsoft Windows 第4版〈上〉 (マイクロソフト公式解説書)
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インサイドMicrosoft Windows第4版〈下〉 (マイクロソフト公式解説書)
- 作者: ディビットソロモン,マークルシノビッチ,David A. Solomon,Mark E. Russinovich,豊田孝
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