Visual C++ Express Edition あれこれ

ということで、(特にC++のそれについて)何のためにExpress Editionを無償配布しているのかその目的が良くわからない。ということです。はい。

DirectX SDK とは相性いいですかね.
Windows SDK のセットアップからして躓いてるっぽい人もちらほらみかけますが,これは Visual C++ 2008 Express Edition からはデフォルトで Windows SDK も付くということで,解決の方向かも.まあそこで躓かなくても 3 分後ぐらいにはやっぱり転んでそうな気はしますけど.
あとは NVSDK に入っているような大量のサンプルコードも,MFC/ATL は使ってないと思うので,必要なものさえ取ってくればコンパイルできるんじゃないでしょうか.一万円か二万円かそこらのビデオカードと無償の開発環境で,最新の 3D 技術をお楽しみくださいませ,みたいな.

「Visual C++ 入門」という響きの怪しさ

さて,そもそも Visual C++ って入門できるものなんだっけ? という根本的な問題があるように思います.
C++ も Windows プログラミングも初めてという人が,Visual C++ という言語を通じて Windows プログラミングを始めるとしたら,収穫期に入るまで 2〜3 年ですめば十分早い方でしょうし,普通はもっとかかるでしょう.
C++ はそこそこ経験があるという人でも,

という数々のイベントをこなしフラグを立ていくレベル上げ,回避できるとはどうも思えません.
確かに,ある程度 Windows プログラミングへの自信が付いてから,攻撃力を上げるために使うのであれば,ATL や MFC は十分使えるフレームワークだと思います.しかし,何をするのにもおっかなびっくりの段階では,そもそも何が API で何がフレームワークで,何が C++ の言語仕様か見分けることすら大変なんじゃなかろうかと.そんな状態で ATL/MFC にアクセスできるようにしたところで,彼らの学習曲線にはさほど影響を与えないように思うのです.
あとは彼らが頼るであろうサンプルコードがどれだけ ATL/MFC に依存しているかでしょうかね.これは,記事を書く側にとってもそこそこ切実な問題で,読者層が Express Edition を使ってそうな場合のサンプルコードに ATL を使えないのは個人的には残念です.

Viual C++ Express Edition に ATL/MFC が付属して一番喜ぶユーザー層

仮にExpress Edition に ATL/MFC が付属するとして,一番喜ぶのはどこかというと,MSDN Subscription の更新をしたくない企業というのが一番ありそげな気がします.そしてそこには,「君の分もインストールしておいたから」と無理矢理入門させられる新入社員の姿もいるかもしれません.
一方学生は既にアカデミックライセンスで十分優遇されてます.学生向けのイベントで Visual Studio 上位エディションが無償配布されることもしばしば.
個人でデスクトップアプリケーションを作っていた人が,Visual Studio の更新費用を浮かせられるというのはありそうですが,これも入門用というユーザーからは外れるかなと.まあホビープログラマも想定内なので,ここは救っても良いような気はしますけど.

ライセンスビジネスとしてのATL/MFC

Borland の開発環境に ATL/MFC がバンドルされてたりしましたが,今となってはビジネス的には死んだ感じなんでしょうかね.
そういえば ATL Server は Microsoft Limited Permissive License にて公開 されましたが,あの辺の権利関係どうなってるんでしょう?
ライセンスを買わされた企業としては,「ごめんやっぱ無償公開する」ってのはどうなのかよく分からないところではありますが.ってバンドルされてた時代は ATL Server はまだ無かったかも.

ドキュメントの無償配布

そういえば,昔は (ローカルインストール用の) MSDN Library も有償でしたが,これも今では無償公開になりました.確か去年の 7 月ぐらいから.これも時代の流れかもしれません.

Mac OS X みたいに OS に標準で開発環境をつければいいのに

その辺についてのレドモンド方向の主張.