火星の夕焼けはなぜ青い

火星の夕焼けはなぜ青い
大学時代に感銘を受けた*1物理学者の1人である佐藤文隆氏の著書である.ずっと読みたかったのだが先日図書館に寄ってようやく読む機会を得た.文章の端々から懐かしい佐藤節が聞こえるようで,読みながらにやけてしまう.
さて,最近のリアルタイム3D CGではライティング効果のシミュレーションそのものが話題となることが多い.例えばImagire氏がたくさんサンプルを公開されている.氏の公開されているライティングサンプルの種類と原理を見ても,近年このジャンルがいかに急激に進化してきたかが分かるだろう.
http://if.dynsite.net/t-pot/program/index.html
これら照明効果の表現に凝るのは,個人的にはあまり好きではなかった.何より苦労して数式をShaderに落とし込んだとして,結果的に得られるのは微妙な色合いの変化だけなのだ.しかし,である.そんな私が「なぜ遠い山が薄青か」について楽しそうに書かれている佐藤先生の文章を読んだ後は,レイリー散乱もええなぁ,とか言っていたり.とりあえず食わず嫌いせずライティング系の技術もウォッチしてみよう.なんせ楽しみ方はもう沢山頂いたのだから.
ちなみに火星の夕焼けは本当に青いのか? という疑問があるかもしれないが,これは青く見えるときもある,ということだそうだ.Mars Pathfinderが実際に映像を得ているとのことで,本には以下のサイトが紹介されている.
http://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/marspath_images.html
http://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/marspath_images_2.html

*1:佐藤先生が退官されるということで最後に「一般相対論」の講義が復活し,ミーハーな私は大して分かりもしないのに講義を聴きに行ったものだ.結局単位はいただけたのだが,これは今でも結構な宝物に思っている.