人前でしゃべるとか実名とか (1)

Jitta さんが吼えてる.

ネタ記事でも遊ぶ。あ〜、これ足したから、タイトル変えるべきだったかも〜。

及川さんは,その場で「米国では顔写真を載せて実名でブログ発信するのが常識であり,ネットで検索した時に名前が見つからないようでは,存在していないに等しい」と厳しい言葉を投げかけました。

ごめん。アメリカの常識が、日本の常識と相容れないことは、たくさんあるんだけど?IT 業界の人なら、アメリカの「正常系テストが一回でも通ったならリリースしてええやん」って常識に疑問符を投げかける人は、たくさんいると思う。これを持ってしても、アメリカで常識だから日本でも常識になれ、って、変じゃない?逆に、日本の常識をアメリカに持っていってもいいやん。なんも、アメリカが何でも優れているわけやないでしょう?

ちょうど私が斑鳩ばっかりやってたここ2〜3日の間に *1,大きく盛り上がっていた記事,らしいです.

グーグルの及川さんが指摘された通り,実名で発信しなければ「ネット上に存在していない」も同じなのです。それに,私のような海千山千の人間でさえ,はじめての相手からメールをいただいた時に,メールやブログで実名を名乗っていなかったら,怖くておつきあいもできないのです。

ネットで存在していない?馬鹿いっちゃいけない。ネットに存在しているのは「はなおか じった」だ。この人格は、ネットにのみ、存在している。そして、何人かの「中の人」を知っている人によって、オフラインにつながっている。ネットで一貫した名前を使っているなら、それは立派にネット上に存在している一個の人でしょ。な〜にいってるだぁね、この人。

「この人」?
及川さんって“あの”及川さんですよね.
イベントの性格と,及川さんの経歴を考えれば,発言内容はそれほど突飛な話でもないように思います.
もちろん,Microsoft 時代からずっと実名で blog を書いていた及川さんだからこその言葉の重みもあるわけです.その意味では,元記事中でちゃんと及川さんの blog を紹介してあればより良かった気がしますね.ログとして残ってるんだから,「どういう人が」この発言をしたのか,時間があるなら見てみれば? と.
id:takoratta
http://takuyaoikawa.blogspot.com/
しかし,いわゆるオフラインなイベントでの発言がネット上に持ち込まれるとき,コンテキストがごっそり落ちるのはちょっと怖いですのぅ.以前 CEDEC で自分のセッションが取り上げられたときも似たことを感じました.
例えば CEDEC なら基本的にゲーム開発者が聴衆と分かっているわけです.登壇者としては,その聴衆が「得るものがあった」と思えるような面白い何かを話そうと色々考えるのですが,「開発者向け」にあちこち強弱をつけてストーリーを組み立てたものが,メディアに取り上げられた結果が例えばこうと.

会場で何を話すかは聴衆を考えて決めましたが,そこから抽出された記事が誰に読まれるかは,正直な話,全く考えてませんでした.あちこちご迷惑をおかけしたんじゃないかと後で冷や汗.
つまりどういうことかって? 人前でしゃべるときは目の前にいる人がお客様なわけですよ.それと同時に,ネットにその内容が持ち込まれればモニターの向うにもお客様がいるわけですよ.私は運良く同時にそのどちらも実感することができたため*2,今回のようにコンテキスト無視でネット上に議論が広がっていくのを見るとどうもいたたまれない気持ちになるのですが,かといってそんな話言われて実感できるかって気もしますし,なんかもう本当に難しいです.

*1:とりあえずステージ 4 の A ランク以外の実績は解除.既に 6 年前アーケードでプレイしていたときの全盛期より動きがましになってる気がする.21 インチ縦画面 + 人のリプレイダウンロードが超ステキ

*2:機会を頂いた川西さんに本当に感謝しています.